あんまり貯めこむと、記事をまとめるのが面倒になるので読了本のレビューは3ヶ月おきぐらいまとめておこう。
そんな、
ものぐさスッピーの4月~6月の読了本レビュー。
このコーナーを楽しみにしている、一部の方々と読書の素晴らしさを共有したいのであります。
前回まで、★5個でお勧め度をつけていたのだけど、どう考えても微妙な「★★★よりな★★★★」と「★★★★よりな★★★」の区別(この表記がすでにわけわからん)がつかないので、0.5ポイントを☆にさせてもらいます。
例)3.5ポイント=★★★☆
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阪急電車 有川浩 ★★★★
(片道15分の列車で悲喜こもごも、群像劇のように人がすれ違って行く。とてもうまい話の流れ。映画はどうなの?)
風待ちの人 伊吹有喜 ★★★★☆
(人生につまずいた時、誰に出会い、何をするか・・・。さわやかな大人の夏。「49日のレシピ」の作者デビュー作。)
ツリーハウス 角田光代 ★★★★☆
(普通の家庭にもそれぞれのドラマがある。戦中から現代にいたる家族3代の物語。角田光代ってこんな話も書けるんだ・・・。)
さがしもの 角田光代 ★★★
(読書好きの読書好きによる読書好きのための本)
風花 川上弘美 ★★★★
(夕鶴で懲りたはずの川上弘美に再度挑む。ゆるゆると問題を流してしまう主人公にある程度共感できる。そして、この夫婦は最後どうなっちゃうんだろうと思うとあっという間に読めた。)
KAGEROU 齋藤智裕 ★★★
(評判通り、あっという間に読み終わる。主人公の年齢をあと10歳ぐらい若く設定したらあそこまで人生観が薄っぺらく感じないのでは?自殺志願にしては圧倒的な絶望感を感じない。薄っぺら。)
硝子の葦 桜木紫乃 ★★★★★
(女性向けの素晴らしいミステリー。難しさと読みやすさのバランスが取れた文体で話が進んでいく。序章が最後につながって、なんとも悲しいけれど美しい話しになっていく)
ある少女にまつわる殺人の告白 佐藤青南 ★★★★
(「このミス」優秀賞受賞作品。独白小説。湊かなえっぽいけど。)
季節風 冬 重松清 ★★★
(大人の童話)
純愛小説 篠田節子 ★★★☆
(恐ろしい純愛。篠田さん、初めて見たけど面白い。)
スターバト・マーテル 篠田節子 ★★★★
(恋愛ものと思いきや、サスペンスタッチの表題作。主人公の気持ち、わかる。)
女たちのジハード 篠田節子 ★★★★
(直木賞受賞作。短編の連作。序盤の方がおもしろいく感じる。女たちは日々戦っているのだ。)
彼女がその名を知らない鳥たち 沼田まほかる ★★★★
(イカレタ女の話だけど、最後があーーーーーってなる。)
深紅 野沢尚 ★★★★
(犯罪被害者がいれば、加害者と加害者家族もいることを考えさせられる1冊)
風紋(上)(下) 乃波アサ ★★★★☆
(ものすごく長い。さらにこの後「晩鐘」に続く。だけど、長さが苦にならない。)
犯意 乃波アサ ★★★
(裁判員制度を見据えた1冊。短編とその犯罪についての法的な解説の2部構成。短編の犯罪がリアルで怖かった。)
砂上のファンファーレ 早見和真 ★★★★
(ろくでもない家族の再生物語。身につまされる。)
謎解きはディナーのあとで 東川篤哉 ★★★☆
(どっかのテレビ局が深夜枠でドラマ化する様が見えてくる。ゴールデン枠なら執事は向井理さんで。)
聖女の救済 東野圭吾 ★★★☆
(ガリレオシリーズ。女は恐ろしい)
麒麟の翼 東野圭吾 ★★★★
(加賀シリーズは毎回一気読み。阿部ちゃんのイメージ強すぎだぜ。)
プラチナデータ 東野圭吾 ★★★☆
(理系の話を読みやすくする東野圭吾のエンターティナー性はすごいと思う。)
かたちだけの愛 平野啓一郎 ★★☆
(「愛」を小難しく表現するとこうなるらしい。女性の心理が全く分からず「男の書く女性だな」と思う。)
花と流れ星 道尾秀介 ★★★
(「背の眼」、「骸の爪」に続く真備シリーズ。とはいっても、前作を読んでいない。5つの短編。人に打ち明けられない悲しい過去をもつ5人が少しだけ希望を見出していく様子は道尾ワールド。)
カササギたちの四季 道尾秀介 ★★★
(道尾作品の中でこの手の話は苦手。もっと暗い方が好き)
夜行観覧車 湊かなえ ★★★★
(「告白」ほどのセンセーショナルはないけれど、こういう話しの方が私は好き。)
テティスの逆鱗 唯川恵 ★★★★
(美しくあろうとする女の欲求は狂気に満ちていて恐ろしい)
病む月 唯川恵 ★★★
(精神的にこわーい女たち。金沢が好きな人に。)
最後の息子 吉田修一 ★★★☆
(おかまと同棲するストレートな草食男子。)
春、バーニーズで 吉田修一 ★★★☆
(「最後の息子」のその後。短編の連作。青春時代が過ぎ、今なお鮮やかによみがえる青春・・・かな。)
孤舟 渡辺淳一 ★★☆
(老いぼれ老人の一人よがり。)
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いや~、読んだね。
3か月で30冊。素晴らしいペース。
何といってもこの時期、非常に体調が悪かったので引きこもっていたからです。
今期は話題の本も読めたし、どの本も割と面白かったのでこの量を読んでも苦にならなかった。
私は「犯罪被害者と加害者の家族。一つの犯罪によって起こる波紋」みたいな話が好きなので、そういう点で言うと
「風紋」「深紅」「夜行観覧車」
この3つを読めてよかった。
ミステリーでいうと
「硝子の葦」はどのレビューを見ても評判が良くて期待していたけれど、期待通りのミステリーでした。
女性目線のミステリーをお探しの方は是非。