2011年8月2日火曜日

読了本(2011.4~2011.6)

あんまり貯めこむと、記事をまとめるのが面倒になるので読了本のレビューは3ヶ月おきぐらいまとめておこう。

そんな、ものぐさスッピーの4月~6月の読了本レビュー。

このコーナーを楽しみにしている、一部の方々と読書の素晴らしさを共有したいのであります。

前回まで、★5個でお勧め度をつけていたのだけど、どう考えても微妙な「★★★よりな★★★★」と「★★★★よりな★★★」の区別(この表記がすでにわけわからん)がつかないので、0.5ポイントを☆にさせてもらいます。

例)3.5ポイント=★★★☆

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阪急電車 有川浩 ★★★★
(片道15分の列車で悲喜こもごも、群像劇のように人がすれ違って行く。とてもうまい話の流れ。映画はどうなの?)

風待ちの人 伊吹有喜 ★★★★☆
(人生につまずいた時、誰に出会い、何をするか・・・。さわやかな大人の夏。「49日のレシピ」の作者デビュー作。)

ツリーハウス 角田光代 ★★★★☆
(普通の家庭にもそれぞれのドラマがある。戦中から現代にいたる家族3代の物語。角田光代ってこんな話も書けるんだ・・・。)

さがしもの 角田光代 ★★★
(読書好きの読書好きによる読書好きのための本)

風花 川上弘美 ★★★★
(夕鶴で懲りたはずの川上弘美に再度挑む。ゆるゆると問題を流してしまう主人公にある程度共感できる。そして、この夫婦は最後どうなっちゃうんだろうと思うとあっという間に読めた。)

KAGEROU 齋藤智裕 ★★★
(評判通り、あっという間に読み終わる。主人公の年齢をあと10歳ぐらい若く設定したらあそこまで人生観が薄っぺらく感じないのでは?自殺志願にしては圧倒的な絶望感を感じない。薄っぺら。)

硝子の葦 桜木紫乃 ★★★★★
(女性向けの素晴らしいミステリー。難しさと読みやすさのバランスが取れた文体で話が進んでいく。序章が最後につながって、なんとも悲しいけれど美しい話しになっていく)

ある少女にまつわる殺人の告白 佐藤青南 ★★★★
(「このミス」優秀賞受賞作品。独白小説。湊かなえっぽいけど。)

季節風 冬 重松清 ★★★
(大人の童話)

純愛小説 篠田節子 ★★★☆
(恐ろしい純愛。篠田さん、初めて見たけど面白い。)

スターバト・マーテル 篠田節子 ★★★★
(恋愛ものと思いきや、サスペンスタッチの表題作。主人公の気持ち、わかる。)

女たちのジハード 篠田節子 ★★★★
(直木賞受賞作。短編の連作。序盤の方がおもしろいく感じる。女たちは日々戦っているのだ。)

彼女がその名を知らない鳥たち 沼田まほかる ★★★★
(イカレタ女の話だけど、最後があーーーーーってなる。)

深紅 野沢尚 ★★★★
(犯罪被害者がいれば、加害者と加害者家族もいることを考えさせられる1冊)

風紋(上)(下) 乃波アサ ★★★★☆
(ものすごく長い。さらにこの後「晩鐘」に続く。だけど、長さが苦にならない。)

犯意 乃波アサ ★★★
(裁判員制度を見据えた1冊。短編とその犯罪についての法的な解説の2部構成。短編の犯罪がリアルで怖かった。)

砂上のファンファーレ 早見和真 ★★★★
(ろくでもない家族の再生物語。身につまされる。)

謎解きはディナーのあとで 東川篤哉 ★★★☆
(どっかのテレビ局が深夜枠でドラマ化する様が見えてくる。ゴールデン枠なら執事は向井理さんで。)

聖女の救済 東野圭吾 ★★★☆
(ガリレオシリーズ。女は恐ろしい)

麒麟の翼 東野圭吾 ★★★★
(加賀シリーズは毎回一気読み。阿部ちゃんのイメージ強すぎだぜ。)

プラチナデータ 東野圭吾 ★★★☆
(理系の話を読みやすくする東野圭吾のエンターティナー性はすごいと思う。)

かたちだけの愛 平野啓一郎 ★★☆
(「愛」を小難しく表現するとこうなるらしい。女性の心理が全く分からず「男の書く女性だな」と思う。)

花と流れ星 道尾秀介 ★★★
(「背の眼」、「骸の爪」に続く真備シリーズ。とはいっても、前作を読んでいない。5つの短編。人に打ち明けられない悲しい過去をもつ5人が少しだけ希望を見出していく様子は道尾ワールド。)

カササギたちの四季 道尾秀介 ★★★
(道尾作品の中でこの手の話は苦手。もっと暗い方が好き)

夜行観覧車 湊かなえ ★★★★
(「告白」ほどのセンセーショナルはないけれど、こういう話しの方が私は好き。)

テティスの逆鱗 唯川恵 ★★★★
(美しくあろうとする女の欲求は狂気に満ちていて恐ろしい)

病む月 唯川恵 ★★★
(精神的にこわーい女たち。金沢が好きな人に。)

最後の息子 吉田修一 ★★★☆
(おかまと同棲するストレートな草食男子。)

春、バーニーズで 吉田修一 ★★★☆
(「最後の息子」のその後。短編の連作。青春時代が過ぎ、今なお鮮やかによみがえる青春・・・かな。)

孤舟 渡辺淳一 ★★☆
(老いぼれ老人の一人よがり。)

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いや~、読んだね。
3か月で30冊。素晴らしいペース。
何といってもこの時期、非常に体調が悪かったので引きこもっていたからです。

今期は話題の本も読めたし、どの本も割と面白かったのでこの量を読んでも苦にならなかった。

私は「犯罪被害者と加害者の家族。一つの犯罪によって起こる波紋」みたいな話が好きなので、そういう点で言うと
「風紋」「深紅」「夜行観覧車」
この3つを読めてよかった。

ミステリーでいうと「硝子の葦」はどのレビューを見ても評判が良くて期待していたけれど、期待通りのミステリーでした。
女性目線のミステリーをお探しの方は是非。

6 件のコメント:

  1. わー!参考になります!!
    これから麒麟の翼読むのですが、安心感あり。さすがの☆4つですねー。
    確かに阿部ちゃんイメージ強いですよね^^
    硝子の葦は全く知らなかったので、☆5つ!読んでみますーー。

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  2. >pokiさんへ

    いらっしゃぁ~~~い!

    一度、ドラマ化されたものを読むとどうしてもその役者さんのイメージがチラチラしちゃいますよね。
    原作物はできるだけ先に本を読んでから映像を見るようにしています。

    硝子の葦、全部がつながったとき「わぁ~」となりますよ。是非。

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  3. いつも楽しみにしています!
    結局前回(前々回?)のゼロハチ~を本屋で探せず、先日図書館で予約してきました!
    「八日目の蝉」はスピカさんもネットでの評判もすごくいいんですが、私的にはどうしても不倫、誘拐、というところが最後まで引っ掛かって感情移入できずでした。。「対岸の彼女」は好きです。
    「女たちのジハード」って古いですよね!?懐かしすぎる~もはやストーリーは覚えていませんが、楽しかった記憶はあり。
    道尾さんの本、おすすめのタイトルを忘れ本屋で適当に「向日葵の咲かない夏」を選んだら、暗すぎてどよーん(泣)
    江國香織さんや角田光代さんの本も図書館にあるもの(「赤い長靴」「ロック母」)を借りたらイマイチ。。
    やはオススメのから手をつけていこうと決めたのでした。

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  4. >あびさんへ

    「向日葵の咲かない夏」、初めての道尾作品はこれでした。私の中で最悪の小説です(本の帯に魅かれたのが間違え)後味わるいですよね~。
    それで二度と道尾作品は読まないと思いましたが、「球体の舵」はなかなか良かったですよ。

    江國香織ワールドは私には合うのと合わないのが分かれていて、「左岸」が好きです(もれなく辻仁成の「右岸」がついてきますが)
    江國さんよりも村山由香のほうがとっつきやすいかもしれませんね。「星々の舟」が好きです。

    読後の爽快感といえば、前回お勧めの「四十九日のレシピ」です。知り合いの方もこのレビューの後読んでとてもよかったとおっしゃってました。

    あびさんのお勧めは何でしょう~?

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  5. すごいね~。忙しい中、ほんとよく読んでる。そして素敵なレビュー。私は最初にぱっと読んで「おもしろい」と思ったらその人の本をダーってはまって読むタイプなのね。
    で、スピカっちが東野圭吾をよく読んでるけど、私は最初に読んだのが「手紙」で。なんかね、悲しすぎて他が読めなくなっちゃった。
    明日からお出かけなので新幹線のお供に「八日目の蝉」を買いました。文庫になったし~。映画化された小説って、配役を思い浮かべながらなんとなく読めて楽しい。でも、映画はみないの。本と違うニュアンスになってたりするから。
    唯川恵さんはよく読んだ。「女!」って感じよね。
    私が読んだ本は、きっとスピカっちは読んでるはず~。

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  6. >海さんへ

    多分ね、忙しくないんだわ(笑)

    私は「秘密」で東野圭吾を好きになったのよ。あれも「手紙」と同じぐらいかなしい話しだけどね。
    私は根暗なので悲しい話が好きなのよ。

    新幹線の移動中に「八日目の蝉」とは・・・逃げる感覚がリンクするかもね。
    最近の本はすぐにドラマ化や映画化されるけど、本の余韻を楽しみたいよね。
    だけど、私は登場人物が多い群像劇だと人の名前が全く覚えられない人間なので「映像にしてくれーーー」って思います。

    男性が書く「女性目線」があまり好きでないので、やはり女性の話は女性が書く方が好きです。
    微妙な心のひだが表れていると思うの。
    そういう点でも唯川恵さんが書く女性は好きです。

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