前回の読了記で「この記事を書くの大変・・・」と愚痴ったら、いろんな方からアドバイスをいただきました。
往々にしてみなさん
「読み終わったらこまめに下書きしなさいよ」ってことでしたが、それができないから大変なんですよってことです。
6月末あたりから「そろそろ下書き始めようかな・・・・」と思いつつ、結局7月になってようやく書き出すという。
全てのことに対して
「マメに」するのが億劫な私です。
さて、先日、今年上半期の芥川賞と直木賞のノミネートが発表されてましたね。
芥川賞には興味がないので、ここは直木賞だけ。
伊吹有喜
(いぶき ゆき) | 「ミッドナイト・バス」(文藝春秋) |
黒川博行
(くろかわ ひろゆき) | 「破門」(KADOKAWA) |
千早 茜
(ちはや あかね) | 「男ともだち」(文藝春秋) |
貫井徳郎
(ぬくい とくろう) | 「私に似た人」(朝日新聞出版) |
柚木麻子
(ゆずき あさこ) | 「本屋さんのダイアナ」(新潮社) |
米澤穂信
(よねざわ ほのぶ) | 「満願」(新潮社) |
この中ですでに「ミッドナイト・バス」は読んでいるのですが、残り5作のうちの4作は夏休みにでも読もうと思って控えております。
なので、今期はあまり直木賞に関係ない読了記ですが、よろしければどうぞ。
★1点 ☆0.5点 ★★★☆←3.5点
最高5点満点で10段階でつけてます。
*********************************************************************************
スペードの3 朝井リョウ ★★★
(三部構成の小説。ミスリードがあったり、なかなか面白いと思うけど昔の朝井リョウが好きな人は「違うなー」と思うかも。私はこちらのほうが初期よりも好きだが)
代償 伊岡瞬 ★★★☆
(この内容なら倍のページ数が必要。良く言えば展開が早いけれど、悪く言えばあらすじだけ書いてる感じ)
消えた少女 吉祥寺探偵物語 五十嵐貴久 ★★★☆
(文庫書き下ろし。吉祥寺が舞台の探偵もの。読みやすく、面白い。今後シリーズ化されるようなので楽しみ)
死神の精度 伊坂幸太郎 ★★★★☆
(続編の「死神の浮力」が読みたくて1作目を。短編の中では素晴らしい1冊。伊坂幸太郎の文体と死神の千葉の個性がぴったりハマってる。伊坂幸太郎を普段読まない人にもおすすめ)
謝るなら、いつでもおいで 川名壮志 ★★★★
(10年前の佐世保小6同級生殺害事件を描いたノンフィクション。小学生の女の子の母を持つひとでなくても、事実は小説を越えられないと、ただただ、その悲しさに打ちのめされる)
ぼくの守る星 神田茜 ★★★★
(ディクレシア(読み書き困難)の障がいを持った男の子とその周りの人達の連作短編。子供も大人もそれぞれが悩み、傷ついている。それでも生き続ける意味がある希望を持ったラストが好き)
仮面同窓会 雫井脩介 ★★★
(しょうもなっ。この人、作品によって好きなのと嫌いなのの差が大きい)
春、戻る 瀬尾まいこ ★★★☆
(お兄ちゃんの正体が知りたいってだけで最後まで一気読み)
波形の声 長岡弘樹 ★★★☆
(短編集のミステリー。よくできているんだけど、感動はなし)
小さいおうち 中島京子 ★★★★☆
(映画化された直木賞受賞作。家政婦の回想録による小さなお屋敷での秘密は最後まで読み終えて、もう一度読み返したくなる内容)
円卓 西加奈子 ★★★★
(芦田愛菜ちゃんで映画化。いいなー、小学生だけど西加奈子ワールド)
私のこと、好きだった? 林真理子 ★★★
(年を取ることが素晴らしいと思えなくなる。もっと、大人の恋愛小説を期待していた)
フェイバリット・ワン 林真理子 ★★★
(そこかしこにバブル臭のする一冊)
虚ろな十字架 東野圭吾 ★★★★
(最新作。死刑をテーマにした東野圭吾らしいミステリー。賛成・反対に偏ることなく書かれているので自分はどうなのか、今一度考える一冊)
昭和の犬 姫野カオルコ ★★★
(2013年下半期直木賞受賞作。人生に犬がいつも寄り添っている女性の話。あんまり好きじゃない)
果てしなき渇き(上) 深町秋生 ★★★☆
(映画化されるってことで読むことに。グロッ!良いも悪いも下巻次第)
果てしなき渇き(下) 深町秋生 ★★★
(私はこういう話は好きじゃない)
豆の上で眠る 湊かなえ ★★★★
(久しぶりにこわーいブラックな湊かなえ。最後になるにつれゾワゾワした)
貘の檻 道尾秀介 ★★★
(中盤までは全く面白くない。嫌な方の道尾作品と思って読むのをやめようと思ったけれど、最後はそれなりにまとまってよかった。そろそろ道尾秀介の新作を追いかけるのはやめようかな)
刑事の子 宮部みゆき ★★★☆
(宮部みゆき初期作品。東京殺人暮色からの改題。)
ありふれた愛じゃない 村山由佳 ★★★☆
(二人の対照的な男の間で揺れるありきたりな話。なのに、最後にどう決着をつけるのか気になって一気に読んでしまう)
この女 森絵都 ★★★★☆
(あらすじで読むより実際数段よかった。読んだあと、もう一度最初に戻って読み返す。そして、最後をもう一度。翌日も考える。そんな小説。森絵都の中で一番好き)
夜の果てまで 盛田隆二 ★★★★
(冒頭から淡々と始まり、途中、この本はどこが面白いのかと思ったけれど、中盤以降、破滅的な雰囲気がすごくよかった。最後の終わり方が・・・・・と思い、もう一度冒頭に戻って読みたくなる小説)
平成猿蟹合戦図 吉田修一 ★★★
(うーん・・・・、群像劇のような一見バラバラだった登場人物が「さるかに合戦」になぞらえて親の仇をうっていく痛快な話。ただ、吉田修一っぽくない、ような)
*********************************************************************************
今回は24冊。
4月、調子よくなくて2冊しか読まなかったから2ヶ月22冊読んでることになる。3日に1冊というハイペースの割に負担に感じないものが多かったなぁ。
【横道世之介/吉田修一】が好きだった人は【この女/森絵都】もおすすめ。後読感がよく似ています。私は好き。
今月も福岡フェアの準備で全く読んでいないけれど、8月は本棚に溜まっている本を読みたいと思います。